
フロリアン・ゼレール
profile
1979年パリ生まれ。フランスの小説家・劇作家・映画監督。
22歳のとき、小説『人工雪』で作家デビューを果たす。以降、5冊の小説と13本の戯曲を執筆し、瞬く間に現代フランスを代表する劇作家として頭角を現す。
代表作には、『L'autre(他人)』『Le Manège(調教)』『Si tu mourais(もし君が死んだら)』『Elle t'attend(彼女は君を待っている)』などがあり、2011年には『La Mère(母)』でモリエール賞・最優秀女優賞および最優秀演出家賞を受賞。以降も『真実』『嘘』『Une Heure de Tranquillité(平和な1時間)』などがフランス国内外で成功を収めている。
特に注目を集めたのが『Le Père(父)』で、2002年にモリエール賞の最優秀演劇作品賞、最優秀男優賞(ロベール・イルシュ)、最優秀女優賞(イザベル・ジェリナス)を受賞。翌2003年にはフランス演劇界の権威あるブリガディア賞を受賞した。さらにこの作品は、英国オリヴィエ賞(主演男優賞:ケネス・クラナム)、米国トニー賞(主演男優賞:フランク・ランジェラ)も受賞し、国際的評価を決定づけた。
『La Mère(母)』『Le Père(父)』『真実』『嘘』『飛び立つ前に』などゼレールの戯曲は、現在も世界中で上演され続けている。
映画監督としても高い評価を受けており、初監督作『ファーザー』(主演:アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン/2021年日本公開)では、アカデミー賞主演男優賞および脚色賞(クリストファー・ハンプトンとの共同)を受賞。続く映画『The Son(息子)』では、ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、アンソニー・ホプキンスら豪華キャストが出演し、2022年に公開、ヴェネチア国際映画祭にも出品された。
その功績により、2023年にはフランス政府よりレジオン・ドヌール勲章を授与された。
次回作としては、ペネロペ・クルスとハビエル・バルデムを主演に迎えた心理スリラー映画『Bunker』の監督を務める。