ラディスラス・ショラー 演出

ラディスラス・ショラー

Ladislas Chollat

profile
ラディスラス・ショラーは、ジャンルの垣根を超えたパワフルな演出で知られるフランスの演出家である。
キャリア初期には、ボーマルシェの『セビリアの理髪師』『フィガロの結婚』や、アルフレッド・ド・ミュッセの『戯れに恋はすまじ』といった古典作品を数多く手がけた。
俳優としてマルセイユで活動を開始し、マルセイユ国立劇場ラ・クリエの芸術監督ジルダス・ブールデと出会い、彼のもとでラ・クリエをはじめとする多数の舞台で演出助手を務めた。
2005年から2008年には、ボーヴェ劇場にてボーマルシェ、ジャン・アヌイ、イスラエル・ホロヴィッツなどの作品を演出。
2009年、パリのマリニー劇場の総監督に就任したピエール・レスキュールの招きにより、イスラエル・ホロヴィッツ作『とても親愛なるマティルド(Très Chère Mathilde/原題:My Old Lady)』を、リーヌ・ルノー主演で演出。この作品は後に『パリ3区の相続人』として映画化された。
以降も、フロリアン・ゼレール、セバスチャン・ティエリー、ジャン=クロード・カリエール、マーティン・マクドノー、ボー・ウィリモンなど現代の劇作家たちの作品を精力的に演出。ロベール・イルシュ、ファブリス・ルキーニ、サンドリーヌ・ボネール、イヴァン・アタルら、フランスを代表する俳優たちと多数の舞台を創り上げてきた。
日本でも、2019年と2021年に東京芸術劇場でフロリアン・ゼレール作『Le Père(父)』『Le Fils(息子)』を演出し、2024年にはその家族三部作の完結編『La Mère(母)』を手がけた。
演劇と並行して音楽の世界にも活動を広げており、フランスの国民的歌手ジュリアン・クレールの2014年、2018年、2022年のツアー演出を担当。
2015年には、ミシェル・ベルジェとフランス・ギャルの音楽によるミュージカル『抵抗 Rèsiste』をパレ・デ・スポールで、翌2016年には『オリヴァー・ツイスト ル・ミュージカル』(フランスオリジナル作品)をサル・ガヴォーで上演した。
2018年には、長編劇映画『レッツ・ダンス』で映画監督としてもデビュー。
これまでに演出した舞台はモリエール賞に29回ノミネートされ、『Le Père(父)』では最優秀演劇賞を含む6部門を受賞。演出家としても4度ノミネートされ、『抵抗 Rèsiste』『オリヴァー・ツイスト』でコメディ・ミュージカル部門の3賞を受賞している。
また2018年には、その幅広いキャリアと功績によりSACD賞を受賞した。
2023年には、モリエール生誕400周年を記念して制作された音楽劇『Molière, l’opèra urbain(モリエール・アーバン・オペラ)』をパリのドーム・ド・パリで上演し、翌年のモリエール賞(ミュージカル部門)作品賞にノミネート。
さらに2024年には、名作『レ・ミゼラブル』をシャトレ座で演出し、2025年のモリエール賞(ミュージカル部門)を受賞するなど、現在もフランス演劇界を牽引し続けている。