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世界が絶賛するフロリアン・ゼレールの傑作、待望の日本初演!

フランスの小説家・劇作家フロリアン・ゼレールは、日常に根ざした人間の心の機微を鋭く描き出す作品を次々と発表し、注目を集めてきました。なかでも、家族をテーマにした三部作――『Le Père父』(2019年)、『Le Fils 息子』(2021年/2024年)、『La Mère 母』(2024年)は、日本でも上演され、観客・批評家の双方から高い評価を受けています。

本作『飛び立つ前に(Avant de s’envoler)』は、『Le Père 父』にも主演したフランス演劇界の名優ロベール・イルシュのためにゼレールが書き下ろした作品であり、彼が91歳で出演した最後の舞台でもあります。

その後、英訳版『The Height of the Storm』としてジョナサン・プライス主演で英国・ウエストエンドおよび米国・ブロードウェイで上演され、成功を収めました。以降も世界各国で上演され続けている、国際的に高く評価されている作品です。日本では、今回が待望の初上演となります!

“老い・愛・別れ”―かけがえのない時間と記憶を描く家族劇に、
演劇界の精鋭が集結!

現代社会の中で複雑に絡み合う“家族”の姿を描いた『飛び立つ前に』。老い・愛・別れといった身近なテーマをミステリアスで繊細な心理劇として描く本作に、フロリアン・ゼレール作×ラディスラス・ショラー演出タッグの舞台ではお馴染みのメンバーから初参加まで、実力派の俳優陣が集結しました。

物語の中心となる著名な作家・アンドレ役に2019年に上演された『Le Père 父』で認知症の父役を演じ、菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞・最優秀男優賞を受賞した橋爪 功。その妻・マドレーヌ役に『Le Père 父』で読売演劇大賞・優秀女優賞を受賞し、『Le Fils 息子』『La Mère 母』でも高い評価を得た若村麻由美、『Le Fils 息子』で初舞台を踏み、『Le Fils 息子』再演時には『La Mère 母』の出演と合わせて第59回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞した岡本圭人が出演。さらに映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍し透明感ある演技が印象的な奥貫 薫と、近年では映画・ドラマだけに留まらず舞台での活躍も目覚ましい前田敦子がそれぞれ娘役を、元宝塚男役トップスターで現在は舞台中心に出演し重厚な演技で魅了する剣 幸が謎の女性役として初参加して一筋縄では進まない作品に華を添えます。

どこにでもいる家族の物語だけでは終わらない、フロリアン・ゼレールが描く唯一無二の世界観。 観る人の数だけ受け止め方がある本作は、後々まで心に響き続けることでしょう。

Storyストーリー

著名な作家アンドレとその妻マドレーヌは、
パリ郊外の家で穏やかな日々を送っている。

だが、50年という歳月を振り返るうちに、
ふたりの関係は「完璧な愛」では
なかったのではないかという疑念が、
静かに心に影を落としはじめる。

娘たちの訪問を控え、
何気ない日常の支度を進めていたある朝、
届いたのは差出人のない一束の花。

そして、過去の記憶をまとったひとりの女が、
扉を叩く──。

静けさの裏に潜む、名もなきざわめき。

ふたりの人生に封じられていた秘密が、
時の奥底からゆっくりと浮かび上がる。

▸ 上演歴

  • 2024/2025年ピテシュティ・アレクサンドル・ダヴィラ劇場(ルーマニア)
  • 2023~2025年スヴェンスカ劇場(フィンランド)
  • 2021/2022年オランダ国内ツアー
  • 2021年エナ劇場(キプロス)
  • 2019年ベイト・レッシン劇場(イスラエル)
  • 2018~2022年タリン市立劇場(タリン、エストニア)
  • 2018~2020年ワルシャワ・ヴスポーツェスニー劇場(ポーランド)、およびポーランド国内ツアー
  • 2018年ウィンダムズ・プロダクション(ロンドン、イギリス)
    ※国内ツアーあり
  • 2016/2017年テアトル・ドゥ・ルーヴル(パリ、フランス)
    ※その後、フランス、ベルギー、スイス、モナコ、ルクセンブルクでツアー公演
  • その他ドイツ語圏、スカンディナビア諸国、カナダでも上演実績あり

▸ 受賞歴・表彰

  • アウター・クリティックス・サークル賞 (ブロードウェイ、2020年)
    ・最優秀戯曲賞 受賞
    ・最優秀男優賞 受賞:ジョナサン・プライス
    ・最優秀女優賞 受賞:アイリーン・アトキンス
    ・最優秀舞台美術賞(セットデザイン)受賞
    ・最優秀照明デザイン賞 受賞
  • ドラマ・リーグ賞 (ニューヨーク、2020年)
    ・主演男優賞(ディスティングイッシュド・パフォーマンス賞)受賞:ジョナサン・プライス
  • ローレンス・オリヴィエ賞 (ロンドン、2019年)
    ・主演女優賞 ノミネート:アイリーン・アトキンス